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給料や評価、人事マネジメントに関する話題を中心に、日頃のコンサルティング業務や出来事、ニュースなどの中から感じたことの中から、ちょっと役立つ情報を提供していきます。
プロフィール

賃金管理研究所 大槻幸雄

Author:賃金管理研究所 大槻幸雄
    
 株式会社賃金管理研究所所長の大槻です。賃金人事コンサルタントとして日々の仕事を通じて感じたことを書いています。
 業務に関するお問い合わせは、賃金管理研究所(03-3953-6761)までお願いいたします。
 
 賃金管理研究所HP 
 http://www.chingin.jp

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 先のブログで、昨今の賃金・人事労務管理を取り巻く環境が大きく変わってきていることをお話しました。
 そうした環境の変化にいかに対応していくかを考えるとき、業績回復の遅れている中堅・中小企業にとっては難しい舵取りを迫られることになります。

 まず、取り巻く環境について主なポイントを整理してみましょう。

 アベノミクスの恩恵を受けず、現時点では収益の向上が見込めない中小企業は多い
 新規学卒者、中途採用とも、採用市場の需給がひっ迫し人が採れなくなってきている
 パートタイマーの採用難に加え、時給単価が大きく上昇している
 26年4月期にベースアップに踏み切る企業が広がったことで、自社賃金への割安感が出ている

 たとえ業績の本格回復がまだであっても、消費増税により社員の生活が影響を受けること、世間でベア実施が広がる中での社員のモチベーションの維持向上、労働市場のひっ迫により採用初任給やパートの時給を引き上げざるを得ないことなど、業種や地域によっては「業績が回復していないから賃金は据え置く」とは言っていられない状況になってきているのです。

「よその会社はベースアップしているのに、わが社はベースアップはおろか定期昇給も僅かだし、こんな状況で将来生活していけるのだろうか?」

 有効求人倍率が上昇する中にあって自社での賃金処遇が向上しなければ、優秀な人材から転職先を探して、会社を去っていくということもなりかねません。自分を高く売れる「優秀で生産性の高い社員」から一人また一人と抜けていくということも、ひとつ対応を間違えれば十分に起こりうることです。

 そうは言いつつも、無条件に固定費である人件費を増やすことはできませんし、経営者として慎重にならざるを得ないことも良く理解できます。

 もし、給与水準が世間相場よりも低いにも関わらず、労働分配率が高いとすれば、(大変厳しい言い方ですが)、現状はビジネスモデルとして成立していないということになります。生活給として十分な給与が支給できない状況であれば、生産性を高める努力をしつつ、人数を減らして平均給与を引き上げるか(正社員からパート・アルバイトへのシフト)、そもそものビジネスモデルを大転換するか、です。

 仕事と給与水準の関係にも目を向ける必要があります。

 定型的な単純作業に従事していても社歴の長い中高年層であれば高い賃金を支払い、生産性の高い若年層であっても十分な昇給が行なわれないという会社があります。 これは仕事と賃金のミスマッチが社内に温存されていることに他なりません。
 こうした会社は、仕事の割に給与の高い社員については昇給にブレーキをかけ(時には引き下げも視野に入れて)、仕事の割に給与が安い社員については、十分な昇給が実現できるようにする必要があります。
 
 よく「一律のベースアップは厳しい」という意見も聞かれますが、もしそうなら、まず、賃金分布のアンバランスを正しく捉え、それを解消するにはどうしたら良いかという視点から考えることが大切です。そして、バランス調整を公平に行うには、まず仕事基準の等級制度を正しく設定しなければならないといえるでしょう。
 

 9月セミナー「経営者のための賃金実務講座」(名古屋・大阪・東京開催)、お申込み受付中です!

 タイトルは、

 デフレ後の採用難時代到来!中小企業の賃金戦略 『合理的な賃金・人事制度への視点』」


 企業の発展を支えるのは、一人ひとりの社員です。
 人材獲得競争が激化する時代にあっては、まず社員がが安心して仕事に励める給与体系が整備されていること、そして、実力に合わせた処遇で長く実力を発揮してもらえる人事評価制度が不可欠です。
 
 本セミナーでは合理的な制度づくりの基本ポイントを集中的にお話しする予定ですが、賃金制度づくりの要点をしっかり押さえていただくことに加え、「わが社の問題がどこにあるのか」「社員のモチベーションが上がらない原因は?」と問題の真因への“気づき”をえいていただくことが大切だと考えています。

 設立以来半世紀を超える賃金管理研究所の指導実績から得たノウハウが、皆様の会社の賃金・評価制度改革のヒントになることでしょう。賃金制度づくり(改善・整備)をご検討されている会社は是非この機会にご参加ください。


【日時および会場】
 ◆東 京 開催  9月25日(木) アルカディア市ヶ谷
 ◆名古屋 開催  9月17日(水) ウインクあいち
 ◆大 阪 開催  9月18日(木) 新梅田研修センター
  時間は10:00 ~ 16:30となります。( 東京は9:45 ~ 16:15 )
  *各会場とも定員30名

【講師】
 ◆賃金管理研究所 副所長  大槻幸雄
 
【参加費】
 34,560円(税込:テキスト・資料・食事代を含みます)
 
【パンフレット&お申込み方法】
 お申し込みはセミナーパンフレットのお申込欄に必要事項をご記入の上、FAXにてお申し込みください。
 パンフレットは弊社HP〔トップページ: http://www.chingin.jp 〕よりダウンロードいただけます。


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 弊社所長:弥富拓海のブログもぜひご覧ください。 ⇒ 弥富拓海の「賃金正しい決め方と運用の実務」
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2014/08/28 13:02 給与制度 TB(0) CM(0)
 4月から給与制度も新しい年度に入りました。
 今日は合理的な賃金制度を持つことの大切さを、改めて考えてみたいと思います。

 従業員の給与制度をしっかり整備するということは、企業規模の大小にかかわらずとても重要なことです。
“いい商品”、“いいサービス”を提供し続けていくために、そして企業としても隆々と繁栄していくためには、その付加価値を実際に産み出している社員のやる気を高め、仕事の品質を向上させていくように‘仕向けて’いかなければならないからです。

 そのために欠かせないものの1つが、合理的な賃金人事制度だと言ってよいでしょう。

 合理的な賃金制度が決まっておらず、その時々で社員の給料が決まっていたらどうでしょうか?たとえ給与表があったとしても、昇給ルールがあいまいで、「業績が良ければ昇給するけれど業績が悪ければ昇給なし」というような運用がされていれば、社員の納得感は低く、不平不満が充満して、決して良い人材は定着しないでしょう。

 「なぜ私は、Aさんよりこんなに給料が低いのだろう」
 「途中入社だからといって10年も勤務しているのになぜ給料があがらないんだ?」
 「毎年2,000円ほど昇給しているけどこれじゃ10年たっても2万円しか増えないよ」
 「給料が低いと言ったら今年に限って1万円増やしてくれたけど、将来は???」
 「社長に気に入られた奴しか、結局、昇格できないんじゃないか」
 「このままじゃいつまでも安アパートから出られないし、結婚もできないな」

 私どもがコンサルティング作業を行う場合は、社員全員の給与明細をお預かりしますが、データを分析・精査していますと、時折、このような社員の不満・不平・不信・不安の声をその数値が代弁して話しかけてくるのです。

 給料をどやって決めるのかという問題は、社員にとっても重大な関心事ですし、その重要性を理解されている経営者も多いとは思いますが、「給与制度や賃金体系は難しそうだ」、「日々の仕事が忙しくて余裕がない」など、どうしても給与制度は評価制度の整備作業は後回しにされやすいように思えます。

 でも、たとえ従業員の人数が少なくても、正社員として採用し、長期間にわたって雇い続ける以上は、給与決定のルールはしっかり決めておくべきですね。

 4月は定期昇給、賃金改定の時期でもあります。新しい年度のスタートにあたり、
 「わが社の給与処遇上に問題がないか」、
 「貢献度の高い社員がその処遇に納得し満足しているか」、
 「社員全体のモチベーションが高く維持されているか」

中小企業の経営者、人事担当の皆さんにも、この機会に確認していただけたらと思います。


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2013/04/04 16:37 給与制度 TB(0) CM(0)
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