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給料や評価、人事マネジメントに関する話題を中心に、日頃のコンサルティング業務や出来事、ニュースなどの中から感じたことの中から、ちょっと役立つ情報を提供していきます。
プロフィール

賃金管理研究所 大槻幸雄

Author:賃金管理研究所 大槻幸雄
    
 株式会社賃金管理研究所、副所長の大槻です。賃金人事コンサルタントとして日々の仕事を通じて感じたことを書いています。
 業務に関するお問い合わせは、賃金管理研究所(03-3953-6761)までお願いいたします。
 
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1.嘱託再雇用時の仕事と給料の決め方

 まず、継続再雇用制度の下、60歳定年到達者の再雇用時の処遇を決めるケースを考えてみましょう。

 高年齢者雇用安定法で、65歳までの継続雇用が義務化されたときには、大企業を中心に満60歳定年到達時の60~70%程度に賃金を減額するケースが多く報告されました。

 このような賃金の減額が受け入れられてきた背景として、基礎年金部分の支給開始が65歳に移行していく段階では、

1) 大企業を中心に平成10年前後より浸透してきた嘱託再雇用制度では、雇用期間が延長され生涯年収が増加することに加え、職制上の責任が大幅に減じることをもって、給与の減額も当然のことと考えられていたこと
2) 再雇用時の給料が減額されても、雇用継続給付金、在職老齢年金の受給も行われていたため、併給調整分を考慮しても相応の手取り額になったこと
3) 大企業では、ホワイトカラーを中心に賃金水準が高いこともあって、雇用継続給付金の支給率が最大となる「再雇用時の賃金が満60歳定年到達時の61%以下」となったとしても、年金受給額を大きく超える手取り額となること

などもあって、いわゆる「6掛け」、「7掛け」という相場が形成されていったものと考えられます。(「6掛け」といっても、60歳到達時に軒並み60万円以上もらっている管理職ばかりの大手企業の場合、再雇用時の賃金は36万円以上になる計算です。)
 
 そして、中小企業でも、同様の基準(=減額率)が適用されるケースが多かったのです。

 そもそも、雇用継続給付金制度の支給開始が、定年到達時賃金の75%を下回ってからであり、61%で支給率が最大となるのですから、「それだけ引き下げても良いだろう」と経営者が考えるのは無理もないことです。
 しかしながら、大手企業と中小企業の賃金水準は大きく異なります。また、基礎年金の支給開始年齢は65歳、報酬比例部分が支給される方でも年額100万円に満たない方が多いことを考えれば、嘱託再雇用の場合でも社員が生活できるだけの給料を払っていくことが肝要なのです。

 大手企業の組合員ベース賃金が310,000円に対して、中小企業の組合員ベース賃金は245,000円程(79%)です。もともと賃金ベースが低いということに加え、中小企業では責任の軽い別の仕事に移っていただくこともなかなかできません。継続再雇用となっても、それまでと同じ仕事(職務・責任レベルとも)を続けてもらうしかないのが実状です。
 今までと同じ仕事で、同じ水準の成果を期待されていながら、給料は大幅に引き下げられたのでは、その社員のやる気はおろか生産性が低下するのは無理のないこと。
 嘱託再雇用の対象となる社員とは、わが社で定年まで勤め上げた社員であり、「同じ釜の飯を食べた同志」でもあります。会社としては、そうした社員が年金を満額受給できるまで、働き甲斐のある仕事を与え、その働きに相応しい水準の給料を支払って、生活に不安を感じることのないように配慮すべきです。
 そして、嘱託再雇用後であっても、生産性に見合った給料を支払っているのであれば、最高裁判例を持ち出すまでもなく、同一労働同一賃金の問題でもめることはないはずなのです。


2.再雇用社員の働き方の選択と給料

 再雇用社員の中には、1日の労働時間の短縮を希望する方、週の労働日数を減らしたい方、これからは責任の伴わない定型業務でよいと考える方、そして今まで通りの責任を全うしたいと考える方など、おそれく色々な方がいるはずです。

 できれば、様々なニーズに応えられるように、任せる仕事についても柔軟な対応をしていただくのがベターですが、それが困難な場合には、原則としてフルタイム勤務での従前どおりの仕事を任せることを基本とすれば良いでしょう。
 全く同じ仕事を任せる場合の給与水準は、原則として60歳定年到達時の80%を基本とします。

 担当業務の責任レベルを軽減する場合には、賃金管理研究所が推奨する“責任等級制度”のもとでは、例えば

 Ⅰ等級相当の仕事であれば ・・・時給1,000円
 Ⅱ等級相当の仕事であれば ・・・時給1,200円
 Ⅲ等級相当の仕事であれば ・・・時給1,500円

というように、等級別に基準を定めておくことをお勧めします。短時間勤務の場合も同様です。

 一方、管理職としての仕事を引き続き任せるのであれば、現役世代の管理職の最低水準の基本給は確保すべきでしょう。労働基準法の管理監督者として扱うならば、管理職手当も支給しなければなりません。

 ただし、住宅手当や家族手当のような仕事に直結しない生活関連手当については、支給対象から外しても構いません。これは、管理職に限らず、一般社員相当の仕事をお任せになる場合も同様です。


  

 ◆◆9月開催の 経営者のための賃金実務講座(大阪・名古屋・東京の3会場で開催) ◆◆

 出版記念セミナー!  社員が成長する シンプルな給与制度のつくり方


 生産年齢人口は、1995年のピークから今年までに、既に1000万人以上が減少しています。中小企業にとっては、新卒採用(大卒)の求人倍率は10倍! 人材採用・確保の難しさは一過性のものではなく、今後は更に厳しさが増すといえるでしょう。

 今、わが国では、働き方の多様性や格差是正等を視野に入れた法改正や規制改革が広く進められており、大企業は既に人材獲得・確保のための様々な施策を矢継ぎ早に打ち出し、働きやすい環境をアピールしています。

 中小企業がこれに対抗していくには、まず経営理念・人事理念につながる処遇体系、合理的で一本筋のとおった給与制度と評価体系を確立しておかなければなりません。最も重要な労働条件である「給与制度」を、社員ひとり一人に分かりやすく説明できないようでは、人材の確保、社員の定着・成長も、そして会社の成長・発展も望めないからです。

 このセミナーは、給与と評価を中心に中小企業の人事管理の基本原則を理解し、自社の課題と給与制度づくりを考える一日集中講座です。わが社の問題を浮き彫りにして、社員の「やる気」を引き出す「給与」と「評価」制度整備への第一歩を踏み出してください。

  1)〔現状分析〕わが社の課題はどこにあるのか?  
  2)〔責任等級制度〕人事処遇は担当職務・役割・職責を基準に決める
  3)〔基本給の設計〕所定内労働に対する“基本となる賃金”を決める
  4)〔昇給スキーム〕定期“実力”昇給なくして、社員の定着なし
  5)〔諸手当の設定〕“必要なものに限定/適正な水準設定”が基本原則
  6)〔成績評価制度〕納得性のある“人を育てる”評価の秘訣とは?
  7)〔賞与の決め方〕やる気を引き出す“貢献度に応じた”賞与配分




   < 参加者特典 >
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  参加者全員に1冊プレゼントします!


【日時および会場】
 ◆大 阪 開催  9月11日(火) ホテルマイステイズ新大阪コンファレンスセンター
 ◆名古屋 開催  9月12日(水) ウインクあいち
 ◆東 京 開催  9月21日(金) アルカディア市ヶ谷
  時間は10:00 ~ 16:30となります。( 東京は9:45 ~ 16:15 )

【講師】
 ◆賃金管理研究所 副所長 大槻幸雄
 
【参加費】
 ◆参加費 34,560円(税込:テキスト・資料・食事代を含みます)
 
【パンフレット&お申込み】
 お申し込みは こちら から ↓↓↓
  セミナー申込み

 詳細なパンフレットは こちら から ↓↓↓
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2018/07/20 14:37 給与制度 TB(0) CM(0)
 前回お話したように、自社の給与制度上の課題を克服するには、まず賃金プロット図を作成してみて、自社の給与制度上の問題がどこにあるのかを確認することが大切です。
 プロット図を作成した時、ぜひ確認していただきたい基本的なチェックポイントとして、次の5点を上げておきたいと思います。

 1)右肩上がりの年功要素が強いのか、適度なバラツキがあるのか。

 2)分布図上の最上部のラインを辿っている優秀社員の賃金水準は、
   その仕事内容に見合った水準といえるか。

 3)役職と賃金の関係はどうなっているか、一定の年齢で必ず昇格する
   自動昇格になっていないか。

 4)平均的な成績の非監督職(一般職)の水準はどのくらいか。

 5)非監督職(一般職)の最上位クラスと管理職の間には適正な格差が
   あるか

 
 前回取り上げたA社とB社の例を踏まえて、もう少し掘り下げてみてみましょう。

 右肩上がりの年功要素が強いのか、適度なバラツキがあるのか

 先に示したA社のように、年功賃金の傾向が強い会社もあれば、B社のように職位に応じたバラつきが大きな会社もあります。そのほか、職種や部門による格差が顕著な会社もあることでしょう。性別による差が大きくでそうな場合は、男女別にプロットしてその実態を確認しましょう。

 分布図上の最上部のラインを辿っている優秀社員の賃金水準は、仕事内容に見合った水準だといえるか
 
 分布の上部に位置する社員は、会社が期待をかけている優秀社員のはずです。他の社員の模範となり組織の牽引役として期待されている社員として、その給与支給額ははたして相応しいものでしょうか。まずは、金額ベースで確認してみましょう。
また、A評価(ここでは上位20%から25%にはいる社員)を連続して取れるような社員がいた場合、年齢とのバランスも考慮しながら、どのくらいの賃金水準が社長からみて適正な額なのか、制度上の上限額をどのあたりに設定するかも念頭に置いて確認をします。

 役職と賃金の関係はどうなっているか、一定の年齢で必ず昇格する自動昇格になっていないか
 
 A社のように誰もが主任、係長、課長と順調に昇格していける仕組みの会社は意外と多いものです。小さな会社でこのような運用をしていると、会社全体の仕事のレベルは上がらないのに賃金レベルだけは上昇していくということになりかねません。年功色の強い会社は、昇格運用が甘い傾向にあります。

 平均的な成績の非監督職(一般職)の水準はどのくらいか
 
 春季労使交渉などで争点となるモデル賃金は「35歳、高校卒勤続17年、事務・技能職、家族構成は配偶者と子2人」とされるのが一般的です。
 賃金統計と比較することを考えて、平均的な成績の社員が35歳(配偶者、子供2名)のときに受け取ることのできる所定内賃金のモデル支給額を算出し、実在社員のグラフの中での位置を確認しておきましょう。

 非監督職(一般職)の最上位クラスと管理職の間に適正な格差があるか
 
 プロット図上では、一見、一般社員から課長・部長までがきれいにつながる賃金カーブを描いているように見えても、残業時間が多いと、時間外勤務手当(残業手当)の支給される係長と課長の間で賃金の手取額の逆転が起こることがあります。
 管理職に昇格したとたん、「いままでより責任が重くなったのに、賃金の手取り額はかえって少なくなった」では、新任管理職のモチベーションは大きく低下するでしょう。残業の多い会社では、部下の残業手当込みの賃金とバランスが取れるように、管理職の所定内賃金を一段高く設定しなければなりませんが、はたしてそうなっているかを確認します。

 以上のポイントについて、詳細な確認をしておくことが、賃金表の設計をスムーズに進めることにつながります。

  

 ◆◆9月開催!経営者のための賃金実務講座(東京・名古屋・大阪の3会場)のご案内 ◆◆

 

  『シンプルで合理的な給与制度はこうつくる!』

 景気回復を先取りするかのように採用市場はひっ迫してきており、地域によっては人材確保がさらに難しくなることが心配されます。2年続けての政労使をあげての賃上げコールの中、採用戦略の一環としての賃上げ(ベースアップ)に踏み出さざるを得ない中小企業も増えていますが、先行きが不透明な中での賃金戦略はどうあるべきでしょうか?
 
 社員の採用・定着、モチベーションの維持・向上策としても、合理的な給与制度と評価制度は不可欠のものです。にもかかわらず、デフレ経済下で10年以上にわたって賃金制度・給与体系の課題が手付かずのままという会社が多いようです。

 雇用環境、経営環境が大きく変化する中で、業績に応じた人件費コントロールを視野に入れつつも、我が社としての課題をあぶり出し、最優先で取り組まなければならないテーマとは何なのかを掴んでいただきたいと思います。賃金制度の見直し(改善・改革)をご検討されている皆様は、是非この機会をご活用ください。


【日時および会場】
 ◆東 京 開催  9月10日(木) アルカディア市ヶ谷
 ◆名古屋 開催  9月16日(水) ウインクあいち
 ◆大 阪 開催  9月17日(木) 新梅田研修センター
  時間は10:00 ~ 16:30となります。( 東京は9:45 ~ 16:15 )
  *各会場とも定員30名

【講師】
 ◆賃金管理研究所 副所長  大槻幸雄
 
【参加費】
 ◆特別価格 34,560円(税込:テキスト・資料・食事代を含みます)
 
【パンフレット&お申込み方法】
 お申し込みはセミナーパンフレットのお申込欄に必要事項をご記入の上、FAXにてお申し込みください。
 パンフレットは弊社HP〔トップページ: http://www.chingin.jp 〕よりダウンロードいただけます。


  

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 弊社所長:弥富拓海のブログもぜひご覧ください。 ⇒ 弥富拓海の「賃金正しい決め方と運用の実務」
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2015/07/27 11:48 給与制度 TB(0) CM(0)
 このブログのタイトルにあるように、給与制度、給与体系上の課題がどこにあるのかを把握することは、なかなか難しいことかもしれません。しかし、現状を正しく理解すること、問題の真因がどこにあるのかを見極めることは、安定して長い期間にわたって運用できる給与制度へと整備していくために必要な作業です。

 では具体的にどのような作業をしていけばよいでしょうか?

 今いる社員の給与をグラフ上に表して(プロットして)、その全体的なバランスをみるというのが、最も問題点をあぶり出しやすい方法だといえるでしょう。グラフの横軸に年齢を、縦軸に給与額をとって散布図をつくるということです。ここでは「賃金プロット図」と呼ぶことにします。

 エクセルなどで表作成機能を使えば簡単に作成できますので、今までに給与分布状況の分析をされたことがなければ、一度はやってみることをお勧めします。

 このときの給与額には、基本的には 所定内賃金 (通勤手当を除く)を使います。ただし、固定的に支払われる残業手当、みなし時間外勤務手当などがある場合には、これも含めた 毎月決まって支払われる賃金 を使うこともあります。
 賃金表(テーブル)が整備されている会社であれば、所定内賃金とはべつに基本給だけで賃金バランスを確認することも有効です。

 それでは、実際に所定内賃金をグラフ上に展開してみた例を見てみましょう。
賃金プロット図1-3

賃金プロット図2-3

 会社によって、実にさまざまな賃金プロット図が出来上がります。

 上の2例は、大きなバラつきやデコボコのない、比較的バランスが取れている会社です。
 それでもA社は年齢が上がるにつれ、職位も給与も右肩上がりで増えていく、年功的色彩の強い会社であることが分かります。

 一方、B社は多少年功的ではあっても、職位ごとの賃金バランスを意識した運用がされていることが分かります。ただ、注意深く見ると、課長と係長の所定内賃金には差がほとんどありません。
 課長は管理職として残業手当の対象外、係長には残業手当を支給するとなると、残業実態によっては手取額の逆転が容易に起こりそうだということが分かります。

 このように、賃金プロット図を作成したときには、いくつか確認していただきたいポイントがあります。では、どのようなポイントに着目して我が社の賃金分析をすればよいのか?

 次回(7月下旬)は、そのお話をいたしましょう。

  

 ◆◆ 今年も9月に「経営者のための賃金実務講座」(東京・名古屋・大阪の3会場)を開催します! ◆◆

 タイトルは、

 強い組織づくりのために“必要不可欠”な仕組み 『合理的な賃金制度をどうつくるか』」

 景気回復を先取りするかのように採用市場はひっ迫してきており、地域によっては人材確保がさらに難しくなることが心配されます。2年続けての政労使をあげての賃上げコールの中、採用戦略の一環としての賃上げ(ベースアップ)に踏み出さざるを得ない中小企業も増えていますが、先行きが不透明な中での賃金戦略はどうあるべきでしょうか?
 
 社員の採用・定着はもちろんのこと、やる気を引き出しモチベーションを高く維持するためにも、合理的な給与制度と評価制度は欠かせないものです。にもかかわらず、デフレ経済下で10数年にわたって賃金制度・給与体系のメンテナンスをしてこなかった会社が多いのもまた事実です。

 雇用環境、経営環境が大きく変化する中で、業績に応じた人件費コントロールを視野に入れつつも、我が社としての課題をあぶり出し、最優先で取り組まなければならないテーマとは何なのかを掴んでいただきたいと思います。賃金制度の見直し(改善・改革)をご検討されている皆様は、是非この機会をご活用ください。


【日時および会場】
 ◆東 京 開催  9月10日(木) アルカディア市ヶ谷
 ◆名古屋 開催  9月16日(水) ウインクあいち
 ◆大 阪 開催  9月17日(木) 新梅田研修センター
  時間は10:00 ~ 16:30となります。( 東京は9:45 ~ 16:15 )
  *各会場とも定員30名

【講師】
 ◆賃金管理研究所 副所長  大槻幸雄
 
【参加費】
 ◆特別価格 34,560円(税込:テキスト・資料・食事代を含みます)
 
【パンフレット&お申込み方法】
 お申し込みはセミナーパンフレットのお申込欄に必要事項をご記入の上、FAXにてお申し込みください。
 パンフレットは弊社HP〔トップページ: http://www.chingin.jp 〕よりダウンロードいただけます。


  

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2015/07/07 16:30 給与制度 TB(0) CM(0)
 先のブログで、昨今の賃金・人事労務管理を取り巻く環境が大きく変わってきていることをお話しました。
 そうした環境の変化にいかに対応していくかを考えるとき、業績回復の遅れている中堅・中小企業にとっては難しい舵取りを迫られることになります。

 まず、取り巻く環境について主なポイントを整理してみましょう。

 アベノミクスの恩恵を受けず、現時点では収益の向上が見込めない中小企業は多い
 新規学卒者、中途採用とも、採用市場の需給がひっ迫し人が採れなくなってきている
 パートタイマーの採用難に加え、時給単価が大きく上昇している
 26年4月期にベースアップに踏み切る企業が広がったことで、自社賃金への割安感が出ている

 たとえ業績の本格回復がまだであっても、消費増税により社員の生活が影響を受けること、世間でベア実施が広がる中での社員のモチベーションの維持向上、労働市場のひっ迫により採用初任給やパートの時給を引き上げざるを得ないことなど、業種や地域によっては「業績が回復していないから賃金は据え置く」とは言っていられない状況になってきているのです。

「よその会社はベースアップしているのに、わが社はベースアップはおろか定期昇給も僅かだし、こんな状況で将来生活していけるのだろうか?」

 有効求人倍率が上昇する中にあって自社での賃金処遇が向上しなければ、優秀な人材から転職先を探して、会社を去っていくということもなりかねません。自分を高く売れる「優秀で生産性の高い社員」から一人また一人と抜けていくということも、ひとつ対応を間違えれば十分に起こりうることです。

 そうは言いつつも、無条件に固定費である人件費を増やすことはできませんし、経営者として慎重にならざるを得ないことも良く理解できます。

 もし、給与水準が世間相場よりも低いにも関わらず、労働分配率が高いとすれば、(大変厳しい言い方ですが)、現状はビジネスモデルとして成立していないということになります。生活給として十分な給与が支給できない状況であれば、生産性を高める努力をしつつ、人数を減らして平均給与を引き上げるか(正社員からパート・アルバイトへのシフト)、そもそものビジネスモデルを大転換するか、です。

 仕事と給与水準の関係にも目を向ける必要があります。

 定型的な単純作業に従事していても社歴の長い中高年層であれば高い賃金を支払い、生産性の高い若年層であっても十分な昇給が行なわれないという会社があります。 これは仕事と賃金のミスマッチが社内に温存されていることに他なりません。
 こうした会社は、仕事の割に給与の高い社員については昇給にブレーキをかけ(時には引き下げも視野に入れて)、仕事の割に給与が安い社員については、十分な昇給が実現できるようにする必要があります。
 
 よく「一律のベースアップは厳しい」という意見も聞かれますが、もしそうなら、まず、賃金分布のアンバランスを正しく捉え、それを解消するにはどうしたら良いかという視点から考えることが大切です。そして、バランス調整を公平に行うには、まず仕事基準の等級制度を正しく設定しなければならないといえるでしょう。
 

 9月セミナー「経営者のための賃金実務講座」(名古屋・大阪・東京開催)、お申込み受付中です!

 タイトルは、

 デフレ後の採用難時代到来!中小企業の賃金戦略 『合理的な賃金・人事制度への視点』」


 企業の発展を支えるのは、一人ひとりの社員です。
 人材獲得競争が激化する時代にあっては、まず社員がが安心して仕事に励める給与体系が整備されていること、そして、実力に合わせた処遇で長く実力を発揮してもらえる人事評価制度が不可欠です。
 
 本セミナーでは合理的な制度づくりの基本ポイントを集中的にお話しする予定ですが、賃金制度づくりの要点をしっかり押さえていただくことに加え、「わが社の問題がどこにあるのか」「社員のモチベーションが上がらない原因は?」と問題の真因への“気づき”をえいていただくことが大切だと考えています。

 設立以来半世紀を超える賃金管理研究所の指導実績から得たノウハウが、皆様の会社の賃金・評価制度改革のヒントになることでしょう。賃金制度づくり(改善・整備)をご検討されている会社は是非この機会にご参加ください。


【日時および会場】
 ◆東 京 開催  9月25日(木) アルカディア市ヶ谷
 ◆名古屋 開催  9月17日(水) ウインクあいち
 ◆大 阪 開催  9月18日(木) 新梅田研修センター
  時間は10:00 ~ 16:30となります。( 東京は9:45 ~ 16:15 )
  *各会場とも定員30名

【講師】
 ◆賃金管理研究所 副所長  大槻幸雄
 
【参加費】
 34,560円(税込:テキスト・資料・食事代を含みます)
 
【パンフレット&お申込み方法】
 お申し込みはセミナーパンフレットのお申込欄に必要事項をご記入の上、FAXにてお申し込みください。
 パンフレットは弊社HP〔トップページ: http://www.chingin.jp 〕よりダウンロードいただけます。


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2014/08/28 13:02 給与制度 TB(0) CM(0)
 4月から給与制度も新しい年度に入りました。
 今日は合理的な賃金制度を持つことの大切さを、改めて考えてみたいと思います。

 従業員の給与制度をしっかり整備するということは、企業規模の大小にかかわらずとても重要なことです。
“いい商品”、“いいサービス”を提供し続けていくために、そして企業としても隆々と繁栄していくためには、その付加価値を実際に産み出している社員のやる気を高め、仕事の品質を向上させていくように‘仕向けて’いかなければならないからです。

 そのために欠かせないものの1つが、合理的な賃金人事制度だと言ってよいでしょう。

 合理的な賃金制度が決まっておらず、その時々で社員の給料が決まっていたらどうでしょうか?たとえ給与表があったとしても、昇給ルールがあいまいで、「業績が良ければ昇給するけれど業績が悪ければ昇給なし」というような運用がされていれば、社員の納得感は低く、不平不満が充満して、決して良い人材は定着しないでしょう。

 「なぜ私は、Aさんよりこんなに給料が低いのだろう」
 「途中入社だからといって10年も勤務しているのになぜ給料があがらないんだ?」
 「毎年2,000円ほど昇給しているけどこれじゃ10年たっても2万円しか増えないよ」
 「給料が低いと言ったら今年に限って1万円増やしてくれたけど、将来は???」
 「社長に気に入られた奴しか、結局、昇格できないんじゃないか」
 「このままじゃいつまでも安アパートから出られないし、結婚もできないな」

 私どもがコンサルティング作業を行う場合は、社員全員の給与明細をお預かりしますが、データを分析・精査していますと、時折、このような社員の不満・不平・不信・不安の声をその数値が代弁して話しかけてくるのです。

 給料をどやって決めるのかという問題は、社員にとっても重大な関心事ですし、その重要性を理解されている経営者も多いとは思いますが、「給与制度や賃金体系は難しそうだ」、「日々の仕事が忙しくて余裕がない」など、どうしても給与制度は評価制度の整備作業は後回しにされやすいように思えます。

 でも、たとえ従業員の人数が少なくても、正社員として採用し、長期間にわたって雇い続ける以上は、給与決定のルールはしっかり決めておくべきですね。

 4月は定期昇給、賃金改定の時期でもあります。新しい年度のスタートにあたり、
 「わが社の給与処遇上に問題がないか」、
 「貢献度の高い社員がその処遇に納得し満足しているか」、
 「社員全体のモチベーションが高く維持されているか」

中小企業の経営者、人事担当の皆さんにも、この機会に確認していただけたらと思います。


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2013/04/04 16:37 給与制度 TB(0) CM(0)
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