FC2ブログ
給料や評価、人事マネジメントに関する話題を中心に、日頃のコンサルティング業務や出来事、ニュースなどの中から感じたことの中から、ちょっと役立つ情報を提供していきます。
プロフィール

賃金管理研究所 大槻幸雄

Author:賃金管理研究所 大槻幸雄
    
 株式会社賃金管理研究所、副所長の大槻です。賃金人事コンサルタントとして日々の仕事を通じて感じたことを書いています。
 業務に関するお問い合わせは、賃金管理研究所(03-3953-6761)までお願いいたします。
 
 賃金管理研究所HP 
    http://www.chingin.jp

最新トラックバック
最新コメント
採用条件における初任給水準の意味

「なかなか募集段階で良い人材があつまらない。いやそもそも応募自体の絶対数が少なくて選考ができない。」

 人材確保に向けてこのような悩みを抱えている採用担当者も多いのではないかと思います、大手企業であっても優秀な人材を集めること、特に新規学卒者の確保については苦戦しているとの話を聞きますから、中小企業でコンスタントに新卒採用を行うのはなかなか大変な状況です。

 納得のいく選考をするために、採用予定数の何倍もの応募者を集める必要がありますが、少なくとも世間相場並みの採用初任給が約束されていなければ、満足できる数の応募者は集まらないでしょう。せめて、地域の平均相当額は提示したいところです。

 そうはいっても、大学卒の初任給は人材獲得競争をあおりを受けて、他の学歴と比べても独歩高する傾向があります。求人倍率が高い水準で推移していますので、今後も初任給相場は徐々に上昇することでしょう。

 一口に、“大卒”といっても、大学にも学生のレベルにも実際のところは、かなりの差があるのが事実ですが、それでも採用区分が同じであれば、大卒初任給は単一の額に設定するのが普通です。

 そこで、主なターゲットを大卒初任給に絞って、その水準を引き上げる方策が必要となります。それが、「初任給調整手当」なのです。


 初任給調整手当の設定
 
 初任給調整手当とは、給与規程もしくは賃金表上の採用初任給(基本給額)を変更することなく、初任給水準を引き上げるため手当を付加する方法です。

 基本給ベースで初任給を引き上げると、同年齢の高卒社員や短大・専門卒社員とのバランスが崩れるほか、先輩社員との賃金バランスも壊すことになりかねません。そこで、採用初任給としての基本給水準と、提示したい採用初任給額の差額分を初任給調整手当として支給することにします。

 採用時の大卒初任給(基本給)が195,000円である会社が、205,000円の初任給を提示しようとしたとしましょう。その差額10,000円が初任給調整手当となります。この調整手当は、段階的に減額するようにして、最終的には不支給とします。

 例えば、1年目10,000円、2年目7,500円、3年目5,000円、4年目2,500円、5年目0円(不支給)というように設定します。

 初めて設定するときには、その年の新入社員にのみ初任給調整手当を付けるのではなく、2年目の先輩社員に7,500円、3年目の社員に5,000円、というように遡って設定する必要があります。そうしないと後から入った社員の方が、1年業務を経験した先輩社員より給与が高くなってしまうからです。

 毎年、基本給が6,000円昇給する会社があるとして、実際の運用モデルで確認してみましょう。

 〔大卒昇給モデルー所定内賃金の推移〕
  年齢  基本給額   初任給調整手当   所定内賃金額
  22歳  195,000円      10,000円      205,000円
  23歳  201,000円       7,500円      208,500円
  24歳  207,000円       5,000円      212,000円
  25歳  213,000円       2,500円      215,500円
  26歳  219,000円        0円        219,000円

 とにかく、採用時の基本給を引き上げようと、大卒初任給だけを無理に高くし、賃金表のより高い号数に読み替えたりする会社があります。一見、合理的な対処方法に思われがちで、実際このような対応をとってきた会社は少なくないのですが、これでは

  1)先輩社員との基本給バランスが崩れる
  2)短大・専門卒や高卒社員との格差が拡大する

などの弊害の方が大きく出てきます。

「何故、先に会社に入って仕事を覚えたきた私たちの方が、後輩より給与が少ないんでしょうか?どうしても納得がいきません。」

 このような声が現場から上がってくるのも、当然のことと言えるでしょう。もし、我が社の初任給決定が、場当たり的な対応に終始し、その結果、社員相互のバランスを欠く要因となって、社員の不平・不満を引き起こしていると考えられるときは、初任給調整手当の方法を参考にして、基本給相互のバランスを是正していただきたいと思います。


  

 賃金管理研究所のFacebookページはこちらから 宜しかったら「いいね!」を押してくださいね。

 弊社所長:弥富拓海のブログもぜひご覧ください。 ⇒ 弥富拓海の「賃金正しい決め方と運用の実務」
 賃金管理研究所HPはこちら ⇒ http://www.chingin.jp

スポンサーサイト



2015/10/13 16:30 採用初任給 TB(0) CM(0)
”超売り手市場”の到来!?

 最近、ご相談をいただく中では、採用初任給の引き上げに関するものが多くなっています。
 
 確かに、中小企業では少し前から、「学生が集まらない」、「合同説明会のブースに人が来ない」、「歩留りが悪い」などの声が聞こえていましたので、より多くの学生に来てもらうためにも、まず処遇を引き上げるというのは、当然と言えば当然のことかもしれません。

 大卒初任給(男子平均)は、20万2900円(2014厚労省)ですから、「良い人材を採用しようとすれば20万円以上」は必要ということです。ただ、これは10年以上前から言われていることなのです。ちなみに、初めて大卒男子が20万円を超えたのは平成15年の20万1300円でした。

 実は、17年前の平成10年の大卒初任給(男子)は、19万5500円でしたから、このころには既に「良い人材を採るなら20万円」と言われていたのです。つまり20年近い間、大卒初任給相場には目立った変化がなかったということになります。

 ところが、今年6月の新規求人倍率は1.78倍と、リーマンショック前の06年の水準(1.56倍)を超え、バブルピーク直後の90年(2.07倍)に次ぐ水準となってきています。したがって、超売り手市場の様相を呈している新卒採用時の初任給は、大きく上昇する可能性があるといえるでしょう。

 採用初任給は高ければ良いのでしょうか?
 
 採用される学生の側からすれば、初任給は高いにこしたことはありません。

 ただ、世間相場よりもはるかに高い初任給だとすれば、学生から「よほど人が集まらない不人気な仕事」か「仕事がきつくて退職者の多い会社」だと思われかねないという側面もあります。初任給を高くしたからといって、良質の人材が集まるとは限らないところに、この水準設定の難しさがあります。

 逆に、一部上場の大手企業のように、たとえ初任給が低くても、その後の昇給や福利厚生面の待遇、生涯年収などが高水準であれば、沢山の応募者を集めることができるという側面も忘れてはいけません。

 このように考えると、中小企業は採用初任給をやみくもに引き上げることよりも、会社としての強み・魅力を最大限にアピールするとともに、人事理念や教育方針など社員の生活や仕事のやりがい等、「社員満足度」に目を向けた会社の確たるスタンスを、わかりやすく打ち出すことが重要だと言えるでしょう。

(その一方で、採用ターゲットを絞った戦略を練ることも大切です。大企業と同様のターゲットに、同じタイミングで採用活動をしていても結果をだすのは至難の業です。)

 ただ、建設業の一部や飲食業・小売業など人が集まりにくい業種では、まずは、平均的な初任給水準までは、給与水準を引き上げる努力をしてください。そうしないと、採用が難しい状況がいつまでも改善されません。


 採用初任給を引き上げるには?

 例えば、採用初任給が19万5千円の会社が、翌年の初任給を20万5千円まで1万円引き上げると決めたとしましょう。

 次年度から採用初任給を引き上げる場合、1年前、2年前、・・・に入社した先輩の大卒社員との給与バランスも考えなくてはいけません。
 今年の社員の初任給が19万5千円、次年度の昇給額が5千年円なら、翌年の給与は20万円です。1年後輩の新入社員が20万5千円では給与が逆転してしまいますので、既存の社員のバランス調整も考えながら初任給引き上げを考える必要があります。

 全社員の基本給を一律に1万円引き上げられれば実務作業としては簡単で良いのですが、労務費の増加分の大きさを考えると、あまり現実的な方法ではありませんので。

 では、どう進めたらよいのか? 詳細な進め方は、次回にお話しましょう。


  

 ◆◆9月開催の 経営者のための賃金実務講座(東京・名古屋・大阪の3会場で開催) ◆◆

 お申込み受付中!  『シンプルで合理的な給与制度はこうつくる!』

 いま、賃金処遇と評価制度のあり方を見直す会社が増えてきています。
 賃金管理研究所にも、かつての会員企業や地方の中堅企業の皆様から、給与制度の整備に関するお問合せを頻繁にいただいています。

 社員の採用が難しくなってきたというのも大きな理由だと思いますが、業績を伸ばすためには、社員を育て能力向上を図るとともに、公平な処遇が実現できるような制度整備の必要性を感じている経営者の方が増えているということでしょう。

 本セミナーは、そうした皆様のニーズにお応えする内容となっています。

 もし、社員の不平、不満や組織への不信感、そして将来への不安を感じさせるような人事制度上の課題があるとしたら、そして給与制度や評価制度の中に社員の活力を削ぐ要因が隠れているとしたら、一刻も早く解消していただきたいのです。

 ただ、なかなか問題の真因が掴みにくいのが賃金人事制度の特徴でもあります。

 自社の課題を正しく分析し、次の時代成長につなげていただくための“手掛かり”を、是非このセミナーで掴んでいただきたいと思います。皆様のご参加をお待ちしています。 (大槻幸雄)


【日時および会場】
 ◆東 京 開催  9月10日(木) アルカディア市ヶ谷
 ◆名古屋 開催  9月16日(水) ウインクあいち
 ◆大 阪 開催  9月17日(木) 新梅田研修センター
  時間は10:00 ~ 16:30となります。( 東京は9:45 ~ 16:15 )

【講師】
 ◆賃金管理研究所 副所長  大槻幸雄
 
【参加費】
 ◆特別価格 34,560円(税込:テキスト・資料・食事代を含みます)
 
【パンフレット&お申込み】
 お申し込みは こちら から ↓↓↓
  セミナー申込み

 詳細なパンフレットは こちら から ↓↓↓
  パンフレット請求

  

 賃金管理研究所のFacebookページはこちらから 宜しかったら「いいね!」を押してくださいね。

 弊社所長:弥富拓海のブログもぜひご覧ください。
 ⇒ 弥富拓海の「賃金正しい決め方と運用の実務」
 賃金管理研究所HPはこちら ⇒ http://www.chingin.jp
2015/08/25 19:54 採用初任給 TB(0) CM(0)
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR