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採用条件における初任給水準の意味
「なかなか募集段階で良い人材があつまらない。いやそもそも応募自体の絶対数が少なくて選考ができない。」 人材確保に向けてこのような悩みを抱えている採用担当者も多いのではないかと思います、大手企業であっても優秀な人材を集めること、特に新規学卒者の確保については苦戦しているとの話を聞きますから、中小企業でコンスタントに新卒採用を行うのはなかなか大変な状況です。 納得のいく選考をするために、採用予定数の何倍もの応募者を集める必要がありますが、少なくとも世間相場並みの採用初任給が約束されていなければ、満足できる数の応募者は集まらないでしょう。せめて、地域の平均相当額は提示したいところです。 そうはいっても、大学卒の初任給は人材獲得競争をあおりを受けて、他の学歴と比べても独歩高する傾向があります。求人倍率が高い水準で推移していますので、今後も初任給相場は徐々に上昇することでしょう。 一口に、“大卒”といっても、大学にも学生のレベルにも実際のところは、かなりの差があるのが事実ですが、それでも採用区分が同じであれば、大卒初任給は単一の額に設定するのが普通です。 そこで、主なターゲットを大卒初任給に絞って、その水準を引き上げる方策が必要となります。それが、「初任給調整手当」なのです。 初任給調整手当の設定 初任給調整手当とは、給与規程もしくは賃金表上の採用初任給(基本給額)を変更することなく、初任給水準を引き上げるため手当を付加する方法です。 基本給ベースで初任給を引き上げると、同年齢の高卒社員や短大・専門卒社員とのバランスが崩れるほか、先輩社員との賃金バランスも壊すことになりかねません。そこで、採用初任給としての基本給水準と、提示したい採用初任給額の差額分を初任給調整手当として支給することにします。 採用時の大卒初任給(基本給)が195,000円である会社が、205,000円の初任給を提示しようとしたとしましょう。その差額10,000円が初任給調整手当となります。この調整手当は、段階的に減額するようにして、最終的には不支給とします。 例えば、1年目10,000円、2年目7,500円、3年目5,000円、4年目2,500円、5年目0円(不支給)というように設定します。 初めて設定するときには、その年の新入社員にのみ初任給調整手当を付けるのではなく、2年目の先輩社員に7,500円、3年目の社員に5,000円、というように遡って設定する必要があります。そうしないと後から入った社員の方が、1年業務を経験した先輩社員より給与が高くなってしまうからです。 毎年、基本給が6,000円昇給する会社があるとして、実際の運用モデルで確認してみましょう。 〔大卒昇給モデルー所定内賃金の推移〕 年齢 基本給額 初任給調整手当 所定内賃金額 22歳 195,000円 10,000円 205,000円 23歳 201,000円 7,500円 208,500円 24歳 207,000円 5,000円 212,000円 25歳 213,000円 2,500円 215,500円 26歳 219,000円 0円 219,000円 とにかく、採用時の基本給を引き上げようと、大卒初任給だけを無理に高くし、賃金表のより高い号数に読み替えたりする会社があります。一見、合理的な対処方法に思われがちで、実際このような対応をとってきた会社は少なくないのですが、これでは 1)先輩社員との基本給バランスが崩れる 2)短大・専門卒や高卒社員との格差が拡大する などの弊害の方が大きく出てきます。 「何故、先に会社に入って仕事を覚えたきた私たちの方が、後輩より給与が少ないんでしょうか?どうしても納得がいきません。」 このような声が現場から上がってくるのも、当然のことと言えるでしょう。もし、我が社の初任給決定が、場当たり的な対応に終始し、その結果、社員相互のバランスを欠く要因となって、社員の不平・不満を引き起こしていると考えられるときは、初任給調整手当の方法を参考にして、基本給相互のバランスを是正していただきたいと思います。 ![]() 賃金管理研究所のFacebookページはこちらから 宜しかったら「いいね!」を押してくださいね。 弊社所長:弥富拓海のブログもぜひご覧ください。 ⇒ 弥富拓海の「賃金正しい決め方と運用の実務」 賃金管理研究所HPはこちら ⇒ http://www.chingin.jp スポンサーサイト
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