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給料や評価、人事マネジメントに関する話題を中心に、日頃のコンサルティング業務や出来事、ニュースなどの中から感じたことの中から、ちょっと役立つ情報を提供していきます。
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賃金管理研究所 大槻幸雄

Author:賃金管理研究所 大槻幸雄
    
 株式会社賃金管理研究所所長の大槻です。賃金人事コンサルタントとして日々の仕事を通じて感じたことを書いています。
 業務に関するお問い合わせは、賃金管理研究所(03-3953-6761)までお願いいたします。
 
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 http://www.chingin.jp

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賃金表のない会社、昇給ルールが不明なままの会社には、良い人材は定着しない

  東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情」(平成30年版)によれば、「賃金表のある会社」は全体の39.6%、「賃金規程はあるが賃金表のない会社」は50.0%となっている。賃金水準が日本一高い東京都ですら、中小企業で賃金表を持たない会社は半数に達しています。
 
 実際、私どもに賃金制度づくりを依頼される企業にも、賃金規程(給与規程)はあるが、賃金表は用意されていないという会社が多いのです。そのような会社では、賃金規程上で昇給について定めが一応は存在するものの、「毎年4月期に、会社の業績および個人の勤務成績を勘案して、昇給を行なう(ことがある)。」という、実に曖昧な表現のものが目立っています。

 賃金表がないうえに、昇給額や昇給率がわかるルールが全く書かれていないのですから、社員としては将来の給料がどうなるのか、年毎に不安が募ることでしょう。生活の糧である自分の給与額が、将来どう上がっていくのか見通せないのですから、仕事のできる社員ほど転職を意識するようになっても不思議ではありません。一方、賃金表があっても昇給ルールが守られていない会社にも、同じようなことが起こります。

 確かに、昇給ルールを賃金規程上でオープンにすれば、それは社員に対する約束となりますから、社長の立場からすれば「業績の良し悪しに関係なく全員を昇給させるなどとんでもない。」とか、「業績が悪くなったらどう抑えたらよいのか」という心配から、曖昧なままにしておきたいとの想いに駆られることはあるのでしょう。

 でも、昇給運用をあいまいにしたままで、社員の定着など望めないのです。

 賃金管理研究所の会員企業の中には、「社員を大切にする会社」として表彰を受けられた会社が何社もありますが、本当に社員を大切にし、活気あふれる会社は、例外なく賃金処遇の決め方を社員全体にオープンにしています。
 「自分の給料がどのように決まっているのか、はっきり分かるように説明してほしい」と社員の誰しもが心の底で思っています。この要請に応える「合理的な賃金制度の確立」なくして、社員のやる気を引き出すことはできません。

 もし、自社の賃金処遇の決定方法が確立されておらず、社長の経験と勘に頼っているようであれば、直ちに合理的な賃金制度の構築に向けて、最初の一歩を踏み出していただきたいと思います。また、これまで運用してきた賃金制度が、平成不況と呼ばれた時期を経て、社員相互の賃金バランスに歪みが生じていたり、支給基準が不明な手当などが乱立していたりするようであれば、これも早急に正すべきでしょう。

 判りやすい賃金表の活用、初任給決定、昇給運用、評価制度とその処遇への反映、賞与配分、各種手当の支給等の賃金施策を通して、社員のやる気が常に最大になるように運用していくことができれば、社員の定着は高まり、社業の発展の礎になるのです。
 わが社の給与制度や評価制度の運用について、少しでも心配な点や問題点があるなら、後回しにしないで、なるべく早めに見直されることをお勧めします。 (了)


  

 ◆◆9月開催の 経営者のための賃金実務講座(東京・名古屋・大阪の3会場で開催) ◆◆

 給与制度の基本セミナー!  社員が成長する シンプルな給与制度のつくり方


 
 生産年齢人口は、1995年のピークから今年までに、既に1000万人以上が減少しています。中小企業にとっては、新卒採用(大卒)の求人倍率は10倍! 人材採用・確保の難しさは一過性のものではなく、今後は更に厳しさが増すといえるでしょう。

 今、わが国では、働き方の多様性や格差是正等を視野に入れた法改正や規制改革が広く進められており、大企業は既に人材獲得・確保のための様々な施策を矢継ぎ早に打ち出し、働きやすい環境をアピールしています。

 中小企業がこれに対抗していくには、まず経営理念・人事理念につながる処遇体系、合理的で一本筋のとおった給与制度と評価体系を確立しておかなければなりません。最も重要な労働条件である「給与制度」を、社員ひとり一人に分かりやすく説明できないようでは、人材の確保、社員の定着・成長も、そして会社の成長・発展も望めないからです。

 このセミナーは、給与と評価を中心に中小企業の人事管理の基本原則を理解し、自社の課題と給与制度づくりを考える一日集中講座です。わが社の問題を浮き彫りにして、社員の「やる気」を引き出す「給与」と「評価」制度整備への第一歩を踏み出してください。

  1)〔現状分析〕わが社の課題はどこにあるのか?  
  2)〔責任等級制度〕人事処遇は担当職務・役割・職責を基準に決める
  3)〔基本給の設計〕所定内労働に対する“基本となる賃金”を決める
  4)〔昇給スキーム〕定期“実力”昇給なくして、社員の定着なし
  5)〔諸手当の設定〕“必要なものに限定/適正な水準設定”が基本原則
  6)〔成績評価制度〕納得性のある“人を育てる”評価の秘訣とは?
  7)〔賞与の決め方〕やる気を引き出す“貢献度に応じた”賞与配分




   < 参加者特典 >
   新刊書籍画像
  新刊「社員が成長するシンプルな給与制度のつくり方」を
  参加者全員に1冊プレゼントします!


【日時および会場】

 ◆東 京 開催  2019年 9月20日(金) アルカディア市ヶ谷
 ◆名古屋 開催  2019年 9月26日(木) ウインクあいち 
 ◆大 阪 開催  2019年 9月27日(金) ホテルマイステイズ新大阪コンファレンスセンター

  時間:東京9:45~16:15/名古屋・大阪10:00~16:30

【講師】
 ◆賃金管理研究所 副所長 大槻幸雄
 
【参加費】
 ◆参加費 34,560円(税込:テキスト・資料・食事代を含みます)
 
【パンフレット&お申込み】
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