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給料や評価、人事マネジメントに関する話題を中心に、日頃のコンサルティング業務や出来事、ニュースなどの中から感じたことの中から、ちょっと役立つ情報を提供していきます。
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賃金管理研究所 大槻幸雄

Author:賃金管理研究所 大槻幸雄
    
 株式会社賃金管理研究所、副所長の大槻です。賃金人事コンサルタントとして日々の仕事を通じて感じたことを書いています。
 業務に関するお問い合わせは、賃金管理研究所(03-3953-6761)までお願いいたします。
 
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 前回は「役職定年制度」について考えてみましたので、今回は60歳定年後の動向について取り上げたいと思います。

1.60歳定年制の運用状況

 「高年齢者の雇用の安定に関する法律」、いわゆる高年齢者雇用安定法で、無期雇用である正社員の定年は60歳を下回らないように定められています。また、年金の受給開始年齢との関係もあって、平成25年より定年到達後であっても、社員本人が65歳までの継続勤務を希望する場合には、会社は「雇用確保措置」をとることが義務付けられています。

この「雇用確保措置」には、大きく分けて3つの方法があります。

 ● 定年制の廃止
 ● 継続雇用制度 
 ● 定年延長

雇用確保措置が義務化された当初は、継続雇用制度を採用する会社がほとんどで、全体の9割以上を占めていました。

 ところが、2014年厚生労働省「就労条件調査」によれば、65歳定年制を採用する企業が、じわりじわりと増えてきているのです。65歳定年などというと、財務力のある一部の大手企業の話かと思いきや、実際は中小企業ほど65歳定年を採用する会社の比率が増えてきているのですね。

 なぜでしょうか?
 その要因としては、人材確保の難しさがあげられます。

 65歳定年の採用比率が高いのは、医療・福祉業界がその代表で、45.6%程度が既に65歳以上です。それに続くのが、宿泊業や飲食サービス業の32.5%。つまり、人の集まりにくい業種・業態では、65歳まで正社員として働き続けることは、決して特別なことではなくなってきているのです。

 皆さんが週末に大型ショッピングセンターなどに行かれた時、駐車場の案内をしている方たちをたくさん見かけると思いますが、年配の方がとても多いですよね。ほとんどの方が有期契約であるとはいえ、ビルメンテナンスや警備の仕事では、65歳を超えた方の採用もごく普通に行われています。 

 安定的に人員を確保する必要から、正社員の定年を65歳とする会社は、今後も増えることが予想されます。


2.定年延長  65歳定年制は広がるか

 65歳定年制は、今後も急速に拡大していくのではないでしょうか?

 最近、人口減少のスピードが速まっていくことによる影響を、テレビの特集番組でも取り上げるようになりました。
 いま、15歳から65歳未満の生産年齢人口は、7600万人程度と予想されます。ピークの1995年から20年で、900万人減少したことになるそうです。

 およそ20年で900万人減少したわけですが、1年あたり平均45万人ということではなく、この1年では110万人以上減っていると言われていますので、減少のスピードが加速しているということでしょう。

 私たちは今、こうした状況下にあるわけで、人材の確保・定着は今後も厳しさを増していくと考えられています。そうした中で、65歳まで、さらにはそれ以上の年齢まで、安心して働ける労働環境を作って、人材を確保しようとする中小企業が増えることは、自明の理かもしれません。
 70歳定年が特別ではなくなる日も、そう遠いことではないのかも知れませんね。

3.継続雇用制度の下での高年齢者の活用

 継続雇用制度を採用している企業が、割合としては最も多い訳ですが、301人以上の会社で92.4%なのに対し、31~300人の会社では81.5%と、10ポイント以上低くなります。
 継続雇用制度を採用しない会社の大半が「定年の引き上げ」で対応する会社で、その割合は300人以下で16.6%に達します。
 
 それでも、8割以上の会社が継続雇用制度を採用しているわけなのですが、その手続きがルール化されていない会社もまだまだ多いようですね。 社員の定年退職を目前(1ヶ月、2カ月先)に控えて、ようやく継続雇用時(嘱託再雇用)の労働条件を提示する、もしくは話し合うという会社も少なくありません。

 これから60歳定年を迎える方は、基礎年金の支給が65歳からであり、報酬比例部分について受給開始年齢に到達したとしても、その額は決して生活費を賄うには十分なものではありません。 できれば、社員が60歳に到達する1年以上前から、定年後のライフプランや働き方への希望など、個別面談を少なくとも定年の1年以上前に実施すべきです。

 大手企業では、40歳、50歳といったタイミングでライフプラン研修を受講させる会社もあるようですが、中小企業であっても、早めの対応をお勧めします。
 昔風に言えば、「同じ釜の飯を喰った仲間」が会社生活を卒業し、その後もしあわせに暮らして行けるかどうかに関わることです。経営者としても、大いに関心をもって臨むべきテーマといえるでしょう。

 わが社で、長年勤務をして最後まで勤め上げ、定年を迎えた社員ですから、本人が希望するのであれば65歳までの雇用は確保すべきでしょうし、続けて働く以上はその実力を十分に発揮できるような仕事を用意すべきでしょう。そして、仕事に見合った給与を支給するのが基本です。

 継続雇用給付金を受給することを第一とし、定年到達時の賃金の60%にまで給料を引き下げるケースがまだ多いようですが、給与を引き下げた以上にやる気を失わせて、生産性が上がっていないという残念な事例も少なくありません。

 そうならないためにも、嘱託再雇用時の労働条件を決めるにあたっては、慎重な対応が求められます。
 本人の意向を踏まえつつも、会社としてどの様な仕事を用意するのか。職制上の位置づけ、給与条件をはじめとする労働条件決定にあたっての留意点などは、次回お話したいと思います。



  

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2016/10/04 12:47 労務管理 TB(0) CM(0)
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