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給料や評価、人事マネジメントに関する話題を中心に、日頃のコンサルティング業務や出来事、ニュースなどの中から感じたことの中から、ちょっと役立つ情報を提供していきます。
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賃金管理研究所 大槻幸雄

Author:賃金管理研究所 大槻幸雄
    
 株式会社賃金管理研究所所長の大槻です。賃金人事コンサルタントとして日々の仕事を通じて感じたことを書いています。
 業務に関するお問い合わせは、賃金管理研究所(03-3953-6761)までお願いいたします。
 
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 http://www.chingin.jp

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中小企業を取り巻く今日の雇用環境と優先課題

  「人手不足の深刻化」が指摘されています。

 6月の有効求人倍率は1.61倍、正社員に限定しても1.13倍ですから、求人を出しても確実に採用できるとはいえない状況です。
 完全失業率は2.3%、完全失業者は161万人でした。平成不況と呼ばれた期間の中でも、平成14年は失業者数が360万人を超えることがしばしばありました。その当時と比較すると200万人も失業者が減っていることになります。

 新卒の採用はどうでしょうか?

 大卒者についてみると、2019年4月の求人倍率は1.89倍、2020年4月は1.83倍だそうです。大学卒の就職希望者1人に対して、平均2社からの求人があるという状況です。とはいっても、売り手市場一辺倒ではありません。大手優良企業は“買い手市場”、中小企業はかなり厳しい“売り手市場”です。
 従業員規模300人未満の中小企業の求人倍率は、約10倍にも達するのです!
 
 こうした中で、中小企業が安定的に人材を獲得することは容易ではありません。

 給与水準は高いに超したことはありませんが、大手企業と張り合っても勝ち目はないのですから、会社独自の魅力や個性、経営理念や従業員に対する考え方など、社員がこれからずっとこの会社の仕事を続けていきたいと思えるよう、トップの熱いメッセージを発信し続けていくと同時に、生産性の向上、さらに働きやすい雇用環境を整えていかなければいけません。

 そして給料は、まさしく社員にとって“生活の糧”ですから、「5年後、10年後、20年後までこの会社で頑張って働き続けたら、こんな仕事に就いて、この位の給料がもらえているだろう。」と、将来がある程度は見通せる仕組みを整えておく必要があります。

 “先が見えない不安”が大きければ大きいほど、社員の定着や人材確保にはマイナスに働くのです。新人や中途採用者の採用問題だけでなく、人材獲得競争がし烈な時代には、既存社員のうち“将来に期待の持てる優秀社員”が引き抜かれる可能性も、考えておかなければならないでしょう。

 雇用条件の中でも、もっとも大切な労働条件が“給料”です。社員の安定確保のためには、先々が見通せる“給与制度の確立”こそが、何よりも優先順位の高い経営課題であると言えましょう。(続)


  

 ◆◆9月開催の 経営者のための賃金実務講座(東京・名古屋・大阪の3会場で開催) ◆◆

 給与制度の基本セミナー!  社員が成長する シンプルな給与制度のつくり方


 
 生産年齢人口は、1995年のピークから今年までに、既に1000万人以上が減少しています。中小企業にとっては、新卒採用(大卒)の求人倍率は10倍! 人材採用・確保の難しさは一過性のものではなく、今後は更に厳しさが増すといえるでしょう。

 今、わが国では、働き方の多様性や格差是正等を視野に入れた法改正や規制改革が広く進められており、大企業は既に人材獲得・確保のための様々な施策を矢継ぎ早に打ち出し、働きやすい環境をアピールしています。

 中小企業がこれに対抗していくには、まず経営理念・人事理念につながる処遇体系、合理的で一本筋のとおった給与制度と評価体系を確立しておかなければなりません。最も重要な労働条件である「給与制度」を、社員ひとり一人に分かりやすく説明できないようでは、人材の確保、社員の定着・成長も、そして会社の成長・発展も望めないからです。

 このセミナーは、給与と評価を中心に中小企業の人事管理の基本原則を理解し、自社の課題と給与制度づくりを考える一日集中講座です。わが社の問題を浮き彫りにして、社員の「やる気」を引き出す「給与」と「評価」制度整備への第一歩を踏み出してください。

  1)〔現状分析〕わが社の課題はどこにあるのか?  
  2)〔責任等級制度〕人事処遇は担当職務・役割・職責を基準に決める
  3)〔基本給の設計〕所定内労働に対する“基本となる賃金”を決める
  4)〔昇給スキーム〕定期“実力”昇給なくして、社員の定着なし
  5)〔諸手当の設定〕“必要なものに限定/適正な水準設定”が基本原則
  6)〔成績評価制度〕納得性のある“人を育てる”評価の秘訣とは?
  7)〔賞与の決め方〕やる気を引き出す“貢献度に応じた”賞与配分




   < 参加者特典 >
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  新刊「社員が成長するシンプルな給与制度のつくり方」を
  参加者全員に1冊プレゼントします!


【日時および会場】

 ◆東 京 開催  2019年 9月20日(金) アルカディア市ヶ谷
 ◆名古屋 開催  2019年 9月26日(木) ウインクあいち 
 ◆大 阪 開催  2019年 9月27日(金) ホテルマイステイズ新大阪コンファレンスセンター

  時間:東京9:45~16:15/名古屋・大阪10:00~16:30

【講師】
 ◆賃金管理研究所 副所長 大槻幸雄
 
【参加費】
 ◆参加費 34,560円(税込:テキスト・資料・食事代を含みます)
 
【パンフレット&お申込み】
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人手不足時代の中小企業の賃金政策

  令和元年も夏季賞与の支給時期のピークを過ぎて、人事担当者にとってはようやく一息つけるタイミングかも知れません。「ようやく一息」とはいっても、切れ目なく続いてきた人事管理業務のスピードがほんの少し緩やかになるだけかもしれませんけれど・・・。

 大企業と違って中小企業では、総務部長や総務課長が人事管理のいっさいを自ら担当している場合が少なくありません。

 大企業であれば、人事部の中にも人事企画と採用、給与計算業務などに分かれ、それらの業務グループ内でもさらに個人別に担当業務範囲が細分化されていることと思います。しかし、中小企業では、総務と人事業務の全般が総務担当者の仕事であり、人事業務だけでも、採用、教育研修、給与改定および社会保険関係の手続き、評価制度の運用と結果の取りまとめ、昇格案の役員会への上程、賞与原資案および個別配分額の試算、等々を一人でこなしている会社が多いのが実状です。(会社によっては、これらも全てが社長マターだったりすることもあります。)

 こうした多忙な日々を過ごされていますと、人事制度改革などの大きな課題はどうしても先送りになりがちですが、これは仕方のないことかもしれません。

 しかし、今年の4月に働き方改革関連法が施行され、労働時間管理についても、企業に課せられる責任はより大きくなっています。適正な労働時間管理をいかにして行っていくかという問題は、賃金管理にも直結する問題です。

 一方で、人手不足の問題は、いっそう深刻さを増しています。「求人を出しても、応募者がほとんど来なかった」「採用したとたんに辞めてしまった」「人手は欲しいが、正社員での採用を憚られる人材しか来ない」など、さまざまな問題が中小企業の現場で起こっています。社員の獲得・定着に向けた対策は急務といえるでしょう。

 社員にとってわかりやすい給与制度(賃金制度)を整備しておくことは、会社の規模の大小を問わず重要なことですが、人材の獲得・定着にむけた処遇改善を検討する際には、まず現状が抱える問題点を洗い出し、その真因を探ることが重要です。

 「賃金制度と評価制度が十分に整備されていない」「社員が納得し安心して働ける体制づくりが急務だ」と感じている経営者の皆様には、今こそ、来春に向けて制度改革への第一歩を踏みだしていただきたいと思います。

 次回は、現状の課題把握のための第一歩として、まず現在の労働環境に目を向けてみることにしましょう。(続)


  

 ◆◆9月開催の 経営者のための賃金実務講座(東京・名古屋・大阪の3会場で開催) ◆◆

 給与制度の基本セミナー!  社員が成長する シンプルな給与制度のつくり方


 
 生産年齢人口は、1995年のピークから今年までに、既に1000万人以上が減少しています。中小企業にとっては、新卒採用(大卒)の求人倍率は10倍! 人材採用・確保の難しさは一過性のものではなく、今後は更に厳しさが増すといえるでしょう。

 今、わが国では、働き方の多様性や格差是正等を視野に入れた法改正や規制改革が広く進められており、大企業は既に人材獲得・確保のための様々な施策を矢継ぎ早に打ち出し、働きやすい環境をアピールしています。

 中小企業がこれに対抗していくには、まず経営理念・人事理念につながる処遇体系、合理的で一本筋のとおった給与制度と評価体系を確立しておかなければなりません。最も重要な労働条件である「給与制度」を、社員ひとり一人に分かりやすく説明できないようでは、人材の確保、社員の定着・成長も、そして会社の成長・発展も望めないからです。

 このセミナーは、給与と評価を中心に中小企業の人事管理の基本原則を理解し、自社の課題と給与制度づくりを考える一日集中講座です。わが社の問題を浮き彫りにして、社員の「やる気」を引き出す「給与」と「評価」制度整備への第一歩を踏み出してください。

  1)〔現状分析〕わが社の課題はどこにあるのか?  
  2)〔責任等級制度〕人事処遇は担当職務・役割・職責を基準に決める
  3)〔基本給の設計〕所定内労働に対する“基本となる賃金”を決める
  4)〔昇給スキーム〕定期“実力”昇給なくして、社員の定着なし
  5)〔諸手当の設定〕“必要なものに限定/適正な水準設定”が基本原則
  6)〔成績評価制度〕納得性のある“人を育てる”評価の秘訣とは?
  7)〔賞与の決め方〕やる気を引き出す“貢献度に応じた”賞与配分




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【日時および会場】

 ◆東 京 開催  2019年 9月20日(金) アルカディア市ヶ谷
 ◆名古屋 開催  2019年 9月26日(木) ウインクあいち 
 ◆大 阪 開催  2019年 9月27日(金) ホテルマイステイズ新大阪コンファレンスセンター

  時間:東京9:45~16:15/名古屋・大阪10:00~16:30

【講師】
 ◆賃金管理研究所 副所長 大槻幸雄
 
【参加費】
 ◆参加費 34,560円(税込:テキスト・資料・食事代を含みます)
 
【パンフレット&お申込み】
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1.嘱託再雇用時の仕事と給料の決め方

 まず、継続再雇用制度の下、60歳定年到達者の再雇用時の処遇を決めるケースを考えてみましょう。

 高年齢者雇用安定法で、65歳までの継続雇用が義務化されたときには、大企業を中心に満60歳定年到達時の60~70%程度に賃金を減額するケースが多く報告されました。

 このような賃金の減額が受け入れられてきた背景として、基礎年金部分の支給開始が65歳に移行していく段階では、

1) 大企業を中心に平成10年前後より浸透してきた嘱託再雇用制度では、雇用期間が延長され生涯年収が増加することに加え、職制上の責任が大幅に減じることをもって、給与の減額も当然のことと考えられていたこと
2) 再雇用時の給料が減額されても、雇用継続給付金、在職老齢年金の受給も行われていたため、併給調整分を考慮しても相応の手取り額になったこと
3) 大企業では、ホワイトカラーを中心に賃金水準が高いこともあって、雇用継続給付金の支給率が最大となる「再雇用時の賃金が満60歳定年到達時の61%以下」となったとしても、年金受給額を大きく超える手取り額となること

などもあって、いわゆる「6掛け」、「7掛け」という相場が形成されていったものと考えられます。(「6掛け」といっても、60歳到達時に軒並み60万円以上もらっている管理職ばかりの大手企業の場合、再雇用時の賃金は36万円以上になる計算です。)
 
 そして、中小企業でも、同様の基準(=減額率)が適用されるケースが多かったのです。

 そもそも、雇用継続給付金制度の支給開始が、定年到達時賃金の75%を下回ってからであり、61%で支給率が最大となるのですから、「それだけ引き下げても良いだろう」と経営者が考えるのは無理もないことです。
 しかしながら、大手企業と中小企業の賃金水準は大きく異なります。また、基礎年金の支給開始年齢は65歳、報酬比例部分が支給される方でも年額100万円に満たない方が多いことを考えれば、嘱託再雇用の場合でも社員が生活できるだけの給料を払っていくことが肝要なのです。

 大手企業の組合員ベース賃金が310,000円に対して、中小企業の組合員ベース賃金は245,000円程(79%)です。もともと賃金ベースが低いということに加え、中小企業では責任の軽い別の仕事に移っていただくこともなかなかできません。継続再雇用となっても、それまでと同じ仕事(職務・責任レベルとも)を続けてもらうしかないのが実状です。
 今までと同じ仕事で、同じ水準の成果を期待されていながら、給料は大幅に引き下げられたのでは、その社員のやる気はおろか生産性が低下するのは無理のないこと。
 嘱託再雇用の対象となる社員とは、わが社で定年まで勤め上げた社員であり、「同じ釜の飯を食べた同志」でもあります。会社としては、そうした社員が年金を満額受給できるまで、働き甲斐のある仕事を与え、その働きに相応しい水準の給料を支払って、生活に不安を感じることのないように配慮すべきです。
 そして、嘱託再雇用後であっても、生産性に見合った給料を支払っているのであれば、最高裁判例を持ち出すまでもなく、同一労働同一賃金の問題でもめることはないはずなのです。


2.再雇用社員の働き方の選択と給料

 再雇用社員の中には、1日の労働時間の短縮を希望する方、週の労働日数を減らしたい方、これからは責任の伴わない定型業務でよいと考える方、そして今まで通りの責任を全うしたいと考える方など、おそれく色々な方がいるはずです。

 できれば、様々なニーズに応えられるように、任せる仕事についても柔軟な対応をしていただくのがベターですが、それが困難な場合には、原則としてフルタイム勤務での従前どおりの仕事を任せることを基本とすれば良いでしょう。
 全く同じ仕事を任せる場合の給与水準は、原則として60歳定年到達時の80%を基本とします。

 担当業務の責任レベルを軽減する場合には、賃金管理研究所が推奨する“責任等級制度”のもとでは、例えば

 Ⅰ等級相当の仕事であれば ・・・時給1,000円
 Ⅱ等級相当の仕事であれば ・・・時給1,200円
 Ⅲ等級相当の仕事であれば ・・・時給1,500円

というように、等級別に基準を定めておくことをお勧めします。短時間勤務の場合も同様です。

 一方、管理職としての仕事を引き続き任せるのであれば、現役世代の管理職の最低水準の基本給は確保すべきでしょう。労働基準法の管理監督者として扱うならば、管理職手当も支給しなければなりません。

 ただし、住宅手当や家族手当のような仕事に直結しない生活関連手当については、支給対象から外しても構いません。これは、管理職に限らず、一般社員相当の仕事をお任せになる場合も同様です。


  

 ◆◆9月開催の 経営者のための賃金実務講座(大阪・名古屋・東京の3会場で開催) ◆◆

 出版記念セミナー!  社員が成長する シンプルな給与制度のつくり方


 生産年齢人口は、1995年のピークから今年までに、既に1000万人以上が減少しています。中小企業にとっては、新卒採用(大卒)の求人倍率は10倍! 人材採用・確保の難しさは一過性のものではなく、今後は更に厳しさが増すといえるでしょう。

 今、わが国では、働き方の多様性や格差是正等を視野に入れた法改正や規制改革が広く進められており、大企業は既に人材獲得・確保のための様々な施策を矢継ぎ早に打ち出し、働きやすい環境をアピールしています。

 中小企業がこれに対抗していくには、まず経営理念・人事理念につながる処遇体系、合理的で一本筋のとおった給与制度と評価体系を確立しておかなければなりません。最も重要な労働条件である「給与制度」を、社員ひとり一人に分かりやすく説明できないようでは、人材の確保、社員の定着・成長も、そして会社の成長・発展も望めないからです。

 このセミナーは、給与と評価を中心に中小企業の人事管理の基本原則を理解し、自社の課題と給与制度づくりを考える一日集中講座です。わが社の問題を浮き彫りにして、社員の「やる気」を引き出す「給与」と「評価」制度整備への第一歩を踏み出してください。

  1)〔現状分析〕わが社の課題はどこにあるのか?  
  2)〔責任等級制度〕人事処遇は担当職務・役割・職責を基準に決める
  3)〔基本給の設計〕所定内労働に対する“基本となる賃金”を決める
  4)〔昇給スキーム〕定期“実力”昇給なくして、社員の定着なし
  5)〔諸手当の設定〕“必要なものに限定/適正な水準設定”が基本原則
  6)〔成績評価制度〕納得性のある“人を育てる”評価の秘訣とは?
  7)〔賞与の決め方〕やる気を引き出す“貢献度に応じた”賞与配分




   < 参加者特典 >
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【日時および会場】
 ◆大 阪 開催  9月11日(火) ホテルマイステイズ新大阪コンファレンスセンター
 ◆名古屋 開催  9月12日(水) ウインクあいち
 ◆東 京 開催  9月21日(金) アルカディア市ヶ谷
  時間は10:00 ~ 16:30となります。( 東京は9:45 ~ 16:15 )

【講師】
 ◆賃金管理研究所 副所長 大槻幸雄
 
【参加費】
 ◆参加費 34,560円(税込:テキスト・資料・食事代を含みます)
 
【パンフレット&お申込み】
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2018/07/20 14:37 給与制度 TB(0) CM(0)
無期転換社員とは

 改正労働契約法、第18条に定められた無期転換権を行使する従業員が、いよいよ来年の4月より出現します。
 
 条文に沿ってその内容を確認しますと、①同一の使用者との間で、②2以上の有期労働契約が締結されており、③それらを通算した期間が5年を超える場合に、④労働者が、現に締結している有期労働契約の契約期間満了までの間に、無期労働契約の申込みをしたときは、会社には否応なしにその申込みを承諾したものと見做されることになります。
 
 通常は1年単位での契約をすることが多いため、平成29年4月以降に契約更新をすると、その有期契約期間満了時点で満5年。更にもう1回契約更新をすると、その時点で5年超えとなり無期転換の申込権が発生するわけです。

 ところで、この無期転換社員は、別段の定めがない限り、労働契約期間以外は、従前と同一の労働条件となります。これまでの雇用区分が、正社員=無期でフルタイム、非正規=有期で契約社員かパートタイマーというシンプルな区分の会社でしたら、新たに無期の契約社員・パートタイマーという区分ができることになるわけです。

適用すべき就業規則は?

 ここで大切なのはどの「就業規則」を適用するかです。

 正社員の就業規則で対応するのか。
 契約社員・パートタイマーの就業規則か。
 それとも新たに無期転換社員用の就業規則を作るのか。
 
 雇用期間以外の労働条件が原則として同じなら、契約社員・パートタイマーの就業規則を改訂して適用するのが、従業員にとっても分かりやすい対応だと言えるでしょう。
 
 新たに就業規則で決めておかなければならない条項の代表格は、

  ①定年 と ②異動(配置転換)  の2つです。

 “定年”は正社員に倣って60歳まで、継続雇用で65歳までとすればよいことになります。問題は、“異動(配置転換)”です。

“別段の定め”として配置転換は不可欠 

 無期転換社員とは、すなわち長期安定雇用の従業員です。ですから、契約社員であれパートであれ、従前と同じ勤務時間、勤務場所、担当業務のまま長期間働いてもらおうとすると、適正配置の面からも支障が出ますし、同じ仕事ばかりでは能力開発も望めません。

 こうした観点からも“配置転換”は不可欠なものです。無期転換、すなわち60歳定年までわが社で働き続ける以上は、配置転換に服してもらうことを原則とすべきです。
 (ここでの配置換えは、担当業務の変更や通勤できる範囲内での事業所間の異動を想定しています。転居を伴う異動までをも含めるかどうかは、慎重な判断が必要となるでしょう。)

 ここでいう「配置転換」は、前述の「別段の定め」に該当しますので、あらかじめ就業規則に明記する必要があります。是非とも無期転換の申込権が発生する前に対応しておきたいところです。
 
 無期転換制度について何の対策もしていないと、無期転換の申込みを既往の労働条件のまま全て受けざるを得ず、適材適所の人員配置にも支障が出る恐れがあります。やる気のある有能な従業員にこそ、長期間にわたって安心して実力を発揮してもらえるよう、就業規則・諸規程の整備は早めに行いましょう。


  

 ◆◆2月8日開催 中小経営者のための賃金講座 ◆◆

 お申込み受付中!(残席僅か)  「賃金制度・改善のポイント」セミナー


 深刻化する人材不足と採用初任給の高騰は、過去3年間の賃上げと最低賃金の引上げの流れとも相まって、中小経営者にとっては頭の痛い経営課題です。

 品質の高いを商品・サービスを産み出す源は、社員です。その社員のやる気を左右する賃金処遇ルールが合理的に説明できないようでは、会社の繁栄は望めません。

 本セミナーでは、自社の問題点を探るとともに、目指すべき賃金制度の方向性を見定め、その上で、給与改善、水準是正へのアプローチ法をお話します。

「賃金の社内バランスが崩れていないか」「世間相場とかけ離れていないか」「このままで社員が辞めてしまわないか」と不安を感じている経営者の皆様は、是非このセミナーにご参加ください。

 
   ◆ 自社の問題点・課題を知る
   *賃金水準、社内バランス、採用初任給、賃上率
   *昇格運用、評価制度の運用状況など

  ◆ 目指すべき賃金制度の姿
   *職制に準拠した等級制度と適正な社員格付
   *適正な実力査定昇給ができる賃金表
   *シンプルで納得できる手当(基準・額)

  ◆ 改善のポイント
   1)抜本的な対策法
    *自社体力に見合った賃金表を整備する
    *自社のあるべき組織と責任等級制度の再構成
    *戦略的ベア、社内アンバランスの是正
   2)対症療法としての対処策
    *採用初任給の引上げ策/中途採用者の賃金決定
    *やる気が出ない社員層への対処法


 自社の課題を正しく分析し、次の時代成長につなげていただくための“手掛かり”を、是非このセミナーで掴んでください。
皆様のご参加をお待ちしています。 (大槻幸雄)


【日時および会場】
 ◆東京(池袋)開催  2017年 2月8日(水) あうるすぽっと会議室

   〔 豊島区立舞台芸術交流センター 東京都豊島区東池袋4-5-2 〕
  13:00 ~ 16:30

講師】
 ◆賃金管理研究所 副所長 大槻幸雄
 

【参加費】
 ◆参加費 10,800円(税込)

 
【HP&お申込み】

 セミナー紹介HP ↓↓↓

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2017/01/20 16:23 労務管理 TB(0) CM(0)
 いまだ厳しい経営環境の中で、いかに生産性の向上を実現するかが、2017年の最大のテーマとなるでしょう。
  
 最低賃金は毎年引き上げられますし、採用初任給相場も上昇傾向にあります。人材獲得のためには相応の給与水準が必要ですが、一方で、「同一労働同一賃金」の観点からは、非正規社員の処遇改善も検討すべきテーマとして挙がっています。

 総額人件費の増加要因ばかりがクローズアップされるなか、時間外労働の削減をどう実現するのかも喫緊の課題となっています。尤も、人手不足がゆえに時間外勤務が増えている会社も少なくないため、生産性の向上に向けた効率化への投資が必要だとの指摘もされています。

 このような、さまざまな与件を視野に入れつつ、生産性向上を達成するのは容易ではありません。今後ますます加速する労働人口減少の流れに購いながらも、様々な施策を実行していかなくてはならない訳ですが、これには大企業も中小企業もありません。

 
生産性向上と時間外勤務の削減

人手不足はこれからさらに深刻化します。
精算労働人口は95年のピークから1000万人減少しましたが、このスピードが加速します。

 仕事の総量が同じだとして、ビジネスモデルが今までのままなら、残業は着実に増えることでしょう。
 そのような状況下では、労働基準法を改正し、仮に罰則強化をしたとしても、長時間労働に対する抜本的な改革にはなりません。もちろん労働基準法は強行法規ですから、罰則強化によって生産性向上に取り組む企業も出てくるでしょうし、ビジネスモデルの抜本的な改革に踏み出す企業も現れるでしょう。

 ただし中小企業では人材の確保がますます困難になり、新卒・中途採用にかかわらず採用時の給与水準も引き上げざるを得なくなるのは目に見えています。人件費の増加、時間外勤務の削減、生産性の向上、これらを同時並行で進めていかなくてはなりません。

 給与水準を維持・向上させつつも、生産性向上を図るための設備投資に目を向け続ける必要があります。これまで人手に頼っていた作業は、機械やAI、IT技術に置き換えられ、従業員は人にしかできない裁量や判断を伴う仕事にシフトしていかざるを得ないでしょう。そうするためには、企業としてもそれに相応しい知識や技能を身に付けた、“ハイスペックな”社員へと育て続ける努力をしていかなければならないのです。

 自社の社員が、将来を見据えて安心して仕事に励めるよう職場環境を整備することが大事です。この環境整備には、「合理的に説明できる賃金制度」や「納得できる評価制度」の確立が不可欠であることは言うまでもありません。

  

 ◆◆2月8日開催 中小経営者のための賃金講座 ◆◆

 お申込み受付中!  「賃金制度・改善のポイント」セミナー


 深刻化する人材不足と採用初任給の高騰は、過去3年間の賃上げと最低賃金の引上げの流れとも相まって、中小経営者にとっては頭の痛い経営課題です。

 品質の高いを商品・サービスを産み出す源は、社員です。その社員のやる気を左右する賃金処遇ルールが合理的に説明できないようでは、会社の繁栄は望めません。

 本セミナーでは、自社の問題点を探るとともに、目指すべき賃金制度の方向性を見定め、その上で、給与改善、水準是正へのアプローチ法をお話します。

「賃金の社内バランスが崩れていないか」「世間相場とかけ離れていないか」「このままで社員が辞めてしまわないか」と不安を感じている経営者の皆様は、是非このセミナーにご参加ください。

 
   ◆ 自社の問題点・課題を知る
   *賃金水準、社内バランス、採用初任給、賃上率
   *昇格運用、評価制度の運用状況など

  ◆ 目指すべき賃金制度の姿
   *職制に準拠した等級制度と適正な社員格付
   *適正な実力査定昇給ができる賃金表
   *シンプルで納得できる手当(基準・額)

  ◆ 改善のポイント
   1)抜本的な対策法
    *自社体力に見合った賃金表を整備する
    *自社のあるべき組織と責任等級制度の再構成
    *戦略的ベア、社内アンバランスの是正
   2)対症療法としての対処策
    *採用初任給の引上げ策/中途採用者の賃金決定
    *やる気が出ない社員層への対処法


 自社の課題を正しく分析し、次の時代成長につなげていただくための“手掛かり”を、是非このセミナーで掴んでください。
皆様のご参加をお待ちしています。 (大槻幸雄)


【日時および会場】
 ◆東京(池袋)開催  2017年 2月8日(水) あうるすぽっと会議室

   〔 豊島区立舞台芸術交流センター 東京都豊島区東池袋4-5-2 〕
  13:00 ~ 16:30

講師】
 ◆賃金管理研究所 副所長 大槻幸雄
 

【参加費】
 ◆参加費 10,800円(税込)

 
【HP&お申込み】

 セミナー紹介HP ↓↓↓

     http://www.chingin.jp/セミナー情報など/2月-賃金管理セミナー/

 お申し込みは こちら から ↓↓↓
  

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2017/01/13 17:46 時の話題 TB(0) CM(0)
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